【ダイエットの落とし穴】断食ダイエットをおススメしない理由3選

ダイエットと聞くとどのような方法が思い浮かぶでしょうか?

サバカン
ダイエットは痩せるためだから食事をとらないのが一番にゃ!「断食」はお腹の中もキレイにしてくれて一石二鳥にゃ!
大吉
ダイエット方法ってたくさんあり過ぎてどれをやればいいのかわからないっすー(>_<)!

「食べ順ダイエット」「糖質制限ダイエット」や「一日一食ダイエット」などネットで検索すればたくさんのダイエット方法が目に留まります。

ダイエットを成功させるためには、たくさんのダイエット方法の中から自分に合ったものを見つけ、正しい方法を複数組み合わせて実践していけばより効果も得られやすいでしょう。
ただし、方法を正しく理解していなければダイエットを成功どころか気づけばゴールと反対方向に一生懸命走っていたということにもなりかねません。

この記事では数あるダイエット方法の中でも「断食ダイエット」をおススメしない理由を3つに絞って解説していきます。

筋肉が減少し代謝が下がる

ヒトは通常「食事」を摂ることでしか栄養を補給することができません
そのため極端な断食をすると、ヒトの体は生命を維持するために自分の体の一部である「筋肉を分解」しエネルギーに変えます。
一般的に体内のエネルギーは私たちの普段の生活における日常動作に使われたり、無意識のうちに行われる各臓器の働きのために使われたり様々ですが、
要するに「体が飢餓状態に陥ると、自分の体を分解して生命活動を維持しようとする」わけです。

オートファジーなどアンチエイジングのために科学的効果が認められている短期的な断食もありますが、ダイエット(減量)を成功させる目的での極端な断食は筋肉を減少させることが分かっています。
筋肉には「基礎代謝」を上げる効果があり、筋肉の減少はすなわち「基礎代謝」の低下を意味します。基礎代謝とは、

人が生きて行くために必要な最低限のエネルギーのことをいいます。
基礎代謝(BM=Basal Metabolism)とは横臥位(上向きで横になった状態)で肉体的・精神的に安静であり、睡眠することなく、腕や脚などを動かさずに24時間で消費するエネルギー量のことをいいます。この状態でも心臓はもちろん、体温を維持するためなどに筋肉や臓器が活動しているため、エネルギーを消費します。このエネルギー量が基礎代謝量となります。 引用:https://tanita.zendesk.com/

つまり何もしなくても生きているだけで消費していくエネルギーのことです。

ダイエットにはこの基礎代謝がかなり重要でして、代謝には「基礎代謝」「生活活動代謝」「食事誘発性熱産生」の3種類があり、24時間に占める各代謝の割合は

・基礎代謝:60%
・生活活動代謝:30%
・食事誘発性熱産生:10%

代謝全体の6割を基礎代謝が占めており、基礎代謝のエネルギー消費量は体格に依存しているため、要するに「筋肉が沢山ある人ほど基礎代謝が高い」のです。

何しなくても勝手にエネルギー(カロリー)を消費してくれるというのはダイエッターにとっては何ともありがたい話ですが、
「筋肉の減少」イコール「基礎代謝の減少」ということだけは押さえておきたいところですね。

栄養不足による体調不良

先にも述べたとおり、ヒトは食事を摂ることでしか栄養を補給することができません。

サバカン
ビタミンDは「太陽の光」を浴びることで全体のおよそ8割が体内で作られるにゃ!

とはいえ、体内で製造できる栄養素でも、それを作り出すための材料が必要です。
ビタミンやミネラルが不足すれば体の機能を維持できなくなり、筋肉を合成するにはタンパク質が必要で、腸内環境を整えるなら食物繊維が必要です

タンパク質と聞くと筋肉というイメージが強いですが、他にも骨、血液、ホルモン等の生成に必要な栄養素なので、これが不足すると身体的、精神的ダメージを受けることが容易に想像できます。
ちなみにタンパク質の一日の必要摂取量の目安は「体重×(1.0g~1.6g)」です。

体重×1.0gの場合、体重60kgの人のタンパク質の必要摂取量は60g ※例)鮭の切り身1枚80gでタンパク質18g、ササミ1本43gでタンパク質10g)

体を構成する栄養素は他にも沢山ありますが、体調が優れない中ダイエットを続けると更に体調が悪化し精神的にも参ってしまうこともよくあります。

極端な断食や糖質カットなど短期的なダイエットの多くは、脳の働きに逆らった行為であることも多いためそもそもが強烈に「辛い」うえに「やれば体重は減るが健康面に配慮できていない」ものもしばしば見受けられます。
健康的な食生活を心掛け、ホルモンバランスが整っている状態で長期目線のダイエット計画を立てることが、ダイエットの成功率をぐっと引き上げてくれます。
せっかく重い腰を上げて「変わる!」と決めたからには楽しく日々の変化を実感していきたいですね。

チートデイの管理が面倒

「チートデイ」という言葉を耳にしたことがおありでしょうか?

大吉
「チートデイ」?
チートってことは反則ワザかなにかっすか(>_<)?

チートデイとは、食事制限を含むダイエット中でも、
ラーメンやハンバーガー、唐揚げ、焼肉、ケーキなどのスイーツ等々ハイカロリー&高糖質な食べ物を1日
「何でも好きなものを食べてもいいよ!」
という日のことを指します。

「チートデイ」を行う理由としましては、カロリーを制限することによって体が「低燃費モード」をになることを防ぐ、若しくは「低燃費モード」に切り替わった体を「通常モード」に戻すためであります。
ヒトの体はとても賢くできており、エネルギーが枯渇すると筋肉など自分の体を分解してエネルギーに変換します。(筋肉は分解されれば減少します)
ただし、当然ながら永遠にそれを繰り返すことはできないので、途中からエネルギーを消費しにくいシステムに切り替え身を守ろうとします。
摂取カロリーを制限したダイエットを続けていると「ある一定の時期」から体重に変化が見られなくなるのはこのためなんですね。

そのため、食事制限やカロリー制限などのダイエットを行ううえでは「チートデイ」を上手く活用していくことが肝要です。

サバカン
何でも好きなものを食べていいのなら全然楽勝にゃ!
むしろ難易度が下がったにゃ!

体内のエネルギー不足によって身の危険を察知、命を守るために「低燃費モード」に切り替わった体に、高カロリーなジャンクフードや糖分の高い食べ物を摂取するとどうなるかといいますと、カロリーに飢えた脳の報酬系が刺激され「もっと!もっと!」とカロリーを求めるようになります。
「チートデイ」はプロのアスリートや、普段はササミとブロッコリーしか食べていないようなボディビルダーの方がトレーニングメニューの一環として取り入れているような方法で、爆発した食欲に逆らうとても強い精神力が必要な方法です。
習慣を身に付ければダイエットの強い味方になりますが、本能に負けてしまうとむしろリバウンドしてしまう諸刃の剣なので扱いには十分注意していきたいですね。

まとめ

まとめますと、

・極端な断食では筋肉が減少し、基礎代謝が落ちる。
・基礎代謝とは何もしなくてもエネルギーを消費してくれるエネルギー消費全体の6割を占める代謝のことで、代謝量は体格に依存する。
・必要な栄養はちゃんと摂取したうえでホルモンバランスを整え、メンタルを安定させて継続力を上げよう。
・チートデイはマスターすれば心強いが「諸刃の剣」。

以上、「断食ダイエットをおススメしない理由3選」でした。

誤解のないよう伝えておきたいのが、筆者は「断食」自体を批判しているわけでは一切ないということであります。
「断食」は血糖値のコントロールに使われたり、短期的な断食を行うことで活性化するオートファジーは科学的に認められている細胞レベルでのアンチエイジング効果が期待されています。
ただし、こういった正しい断食方法がある一方で、誤った認識のまま「断食」を行ってしまい想像していた効果が得られず気を落としてしまう方が非常に多いのもまた事実です。
日々の変化を楽しみながら、効果的なダイエットを実践していきたいですね。

GENKI