【ダイエット上級者向け!】地中海食ダイエットの説明書

「地中海食」という言葉を耳にしたことがおありでしょうか。

サバカン
地中海ってあのリゾートで有名な観光地のことかにゃ?
大吉
食事といえばやっぱり和食!和食といえばお寿司っすー(>_<)!

「地中海食」とは、イタリアやギリシャ、スペイン、エジプトなどの地中海沿岸の国々の人が食べている伝統的な食事のことで、
和食や洋食、中華料理など料理の種類を指すものではなく、
主に野菜やナッツ類、果物、魚をメインとした食生活で、卵や鶏肉、ケーキ等のおやつは時々食べ、牛や豚等の赤身の肉は月に数回程度しか摂取しないという食習慣のことを指します。

地中海食の説明書


引用:オールドウェイズ 地中海食ピラミッド

画像はオールドウェイズという米国マサチューセッツ州ボストンにあるNPO法人が作成した地中海食を分かりやすくまとめてくれた図形です。
ピラミッドの下に行くほど頻度が多く、上に行くほど少なくなるように描かれており、

月に数回(1段目):牛肉や豚肉等の赤身肉、ケーキやお菓子等のスイーツ
週に数回(2段目):鶏肉、卵、チーズ、ヨーグルト
週に少なくとも2回(3段目):魚、シーフード
毎日の基本となる食事(4段目):野菜、果物、全粒粉、オリーブオイル、豆、ナッツ類、マメ科植物、種子、ハーブやスパイス
毎日飲む:水
適度に飲む:ワイン
※毎日適度に運動し、人と食事を楽しむこと。(5段目)

とのことで、この図形からも地中海食が野菜や果物と魚等のシーフードを中心とした食生活であることが確認できます。

 

地中海食は脳卒中、心筋梗塞のリスクを減らす


病気へのリスクや影響については、著:津川雄介さんの「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本を多いに参考にしております。
2013年に行われた7500人を対象とした実験で、グループを①~③に分け地中海食の病気に関するリスクや効果を約5年に渡り追跡した研究では、

グループ①:地中海食を食べるよう指導され、1週間ごとに約1リットルのエクストラバージンオリーブオイルが支給された。
グループ②:地中海食を食べるよう指導され、1日あたり30gのミックスナッツが支給された。
グループ③:地中海食の代わりに低脂肪食の指導を受け、総摂取カロリーや運動に関しては制限されなかった。
この研究で分かったことは、
①②の地中海食の栄養指導を受けたグループは③の対象群と比べて脳卒中、心筋梗塞そしてそれらによって死亡する確率が29%低かった。①の地中海食+オリーブオイルのグループで30%、②の地中海食+ナッツ類のグループで28%のリスク減少が認められた。脳卒中のリスクに至っては地中海食+オリーブオイルのグループで33%、地中海食+ナッツ類のグループで46%も対象群よりも低くなることが明らかになった。さらには、同じデータを用いた別の論文では、地中海食は乳がんになる確率を57%減少させることも明らかになっている。
引用:「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」著:津川雄介

この話をまとめますと、

地中海食を食べたグループは脳卒中、心筋梗塞の確立が29%下がったよ。
・脳卒中に絞った話では、地中海食+ナッツが最強でリスクが約半分になったよ。

とのことであります。
最近では、低脂肪食ダイエットを勧める記事や広告はあまり見かけないようになりましたが、低脂肪食では脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K等)の吸収がうまくできないこともあり、美容や体調にも良い影響が少ないことが分かっております。
そのため「キレイになりたい」や「かっこよくなりたい」といった目的での低脂肪食ダイエットはやはり不向きといったところですが、一方でどうやら地中海食が血管系の疾患に良い影響を与える可能性は高そうですね。

津川雄介さんはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授/医師でエビデンスに基づいた医療情報を発信している方で非常に信憑性の高い記事を書かれております。興味のある方は津川雄介さんのブログのリンクを下記に貼っておきますのでご参考までに。
リンク↓
医療政策学×医療経済学

 

老化防止&記憶力向上&ダイエット

他にも地中海食の効果はというと、

・ポリフェノールによる老化防止&美容効果(抗酸化作用)
・オメガ3脂肪酸で認知機能(記憶力)の向上。
・オメガ3脂肪酸による体内の抗炎症作用。
・食物繊維が豊富なため食後血糖値の急上昇が抑えられ、太りにくい&腸内環境が改善される。
・腸内環境が改善されることで脳機能が上がる。

となっており、どれか一つをとってもかなりパンチ力のある効果といえます。

サバカン
年々肌のハリが無くなってきているような、、
大吉
僕は記憶力が悪くって勉強や仕事でも苦労してるっすー(>_<)!

食事や睡眠、運動等の生活習慣は薬のような即効性はありません。
「痩せたい!」「キレイになりたい」等の欲求は短期集中型なら何とか頑張れますが、
思うように結果が出ず1か月や2か月、半年レベルになるとほとんどの人が挫折してしまいまいます。
ダイエットや美容の根本にあるのはどこまでいっても「健康的な体を維持したい」や「見た目を良くしたい」といったことに行きつきます。
見た目を良くしたいというのは、要するにモテたいといった欲求なわけですが、
ヒトの脳はより良い子孫を残すために、健康な個体が魅力的に見えるように作られています。
そのため、他人から魅力的に見られるようになるためには、「痩せる」や「肌のハリを良くする」でもなければ「記憶力を良くする」でもありません。
人間の脳は肥満の人は不健康そうに見え、肌がボロボロな人は年寄りかもしれない、記憶力が悪く仕事の成績が悪ければその人とより良い子孫を残すのは難しいかもしれないと本能が勝手に判断してしまうようにできています。
ダイエットの目標が「痩せること!」では、貯金の目的が「お金を貯めること!」と言っているようなもので、終わりのないデスゲームになってしまいます。
大切なのはダイエットや美容にしても、ヒトが生き物としてどういった状態が最も魅力があるかを考えたうえでダイエット方法を選択することだと考えます。

 

まとめ

まとめますと、

・地中海食では、野菜、果物、全粒粉、オリーブオイル、豆、ナッツ類、マメ科植物、種子、ハーブやスパイスを使った料理を毎日食べよう。
・1週間に2回は魚やシーフードを取り入れよう。
・週に数回は鶏肉、卵、チーズ、ヨーグルトを食べて、
・月に数回は牛肉や豚肉等の赤身肉、ケーキやお菓子等のスイーツを食べても大丈夫。
・地中海食は病気予防だけでなく、老化防止、抗炎症、記憶力の改善、腸内環境改善にも効果がある。
・ダイエットを継続、成功させるなら生き物としての魅力を上げよう。

映画の「ザ グレイテストショーマン」にもサーカス団の一員に太った大男が出演していましたが、
当時太っているヒトというのはとても珍しく、サーカス会場で彼をみたマダムが息を吞み込むシーンをよく覚えています。
その時は僕も「ふーん、珍しいのか?」くらいに思っていましたが、
どうやら「肥満」というのはこれまでのヒトの進化からしても異常な状態で、大昔は太っている人が本当に少なくて「肥満」ということだけで見世物にされていたそうなんですね。
太っているのが良い悪いといったことを議論するつもりはありませんが、少なくとも「肥満」の状態がヒトにとって特殊な状態であることは歴史から見ても間違いなさそうです。

ちなみに僕自身も地中海食を実践しておりまして、元々消防士の時も割と鍛えてる方だったので今も体型や筋力は維持するように努めていたのですが、4か月で体重が
65.1kg→61.1kgと計4kg減っていました。
血圧125/65とかで他の所見も異常無かったのと体調もいいしメリットの方が多そうなのでもう少し継続してみようと思います。
ご参考までに。

GENKI